日本の歌2009/08/31 09:27

今日は「せんくら」で歌わせて頂く曲について書いてみます。
私は2日の「歌ガラ・コンサート」(公演番号27番)と最終日の第九(公演番号101)に出演させていただくのですが、2日のコンサートのプログラムに入れさせていただいた日本歌曲について・・・

私は日本歌曲が大好きで、と言っても日本歌曲に目覚めてまだ何年もたってはいないのですが・・・
やはり日本人として自分の血に流れているものを感じ、大切にしたいと
思い始め、少しずついろんな作品をせっせと勉強しているところです。
ちなみに私の父は民謡の先生で、小さい時から耳にしていた民謡に
今こうして自分の感性は、確実に影響を受けていたんだなぁとしみじみ思います。

さて2日に歌う曲は畑中良輔先生の「花林」という曲、これはもう単純に本当に美しい!!!
花林とかいて「まるめろ」と読みます。
あの風邪の時喉にいいと言われるかりんの蜂蜜漬けのかりんのことです。
このかりんの実に想いをはせる詩に美しい旋律!!
なんともいえない心に染みる曲です。

もう一つは山田耕筰の「蟹味噌」という曲、この作品を当初勉強してみたら?と勧められたとき蟹?味噌?と???だらけでわけがわからず
しかも最後の歌詞が「死んでくれ」とおっかない!!!
正直よくわからないまま勉強してみたら、これがサイコーに素敵な曲なのでした。
簡潔に解説しますと蟹味噌とはこの歌曲の詩を書いた北原白秋の故郷あたりの酒の肴の食品のことで、男と別れ蟹味噌を肴に酒をあおる女の歌なのです。
というわけでその別れた男へのやりきれない女の想いから「死んでくれ」という歌詞が生まれるわけです。

とても短い歌曲ですが、もう音楽と詩の創りにそれはそれは感動します。この私の大好きな2つの歌曲を、ぜひぜひ仙台のお客様に聴いて頂けたら嬉しいです!!

死んで~くれぇぇ~と歌ってもどうぞびっくりなさらないでくださいね!


金子美香(メゾソプラノ)

仙台とのつながり2009/08/31 09:48

仙台とのつながりの一つに、ベートーベンコーヒーがあります。
私の母の友人が仙台に住んでいた時に通っていたコーヒー豆屋さんで、その紹介で私が初めて仕事で訪れた、かれこれ15年ぐらい前に伺ってから、未だに年賀状のやりとりなど続けさせて頂いています。

仙台にお住みの方ならご存知かもしれませんが、ハリウッドヒットとなった「ベートーベン」という犬の映画は、なんとこのお店で飼っていらした同名の犬がモデルなんですよ!こちらのお店にはジャズピアニストのジョー・サンプルや、映画製作の方々やらが以前訪れていたそうで、たまたまいらした映画のプロデューサーがこちらのセントバーナードに目を付けて、あの大ヒット映画が誕生したそうな。

すごいぞ、仙台!!


三舩優子(ピアノ)

「苺」2009/08/31 23:49

日本でピアニストとして演奏活動を始めてから早くも5年が経とうとしています。日本の聴衆の皆様が温かく見守って下さるからこそ、今日までの成果と成長があるのだと思います。
本当にいつもありがとうございます!

頻繁に帰国するようになった今日でも、毎回日本で驚くことがあります。
今日は、その沢山ある「ビックリ事件」の中からひとつお知らせします。

それは、2006年の1月でした。
成田に到着した私は、仲の良すぎる上まぶたと下まぶたを離れさせようと一生懸命努力しながらリムジンバス停留所まで歩きました。外に出ると、辺り一面真っ白。普段温かい関東地区でもこんなに大雪が降るのか、と帰国初めての「ビックリ」。
後日、オーケストラとのリハーサルを終え、少々放心状態で散歩している途中、ふと目に入ったあるコンビニの「ストロベリー・シーズン・フェア」。「ストロベリー」という甘い響きに誘き寄せられて入ってみると、チョコレートやクッキー等の菓子類包装が全てピンク色に染まっていて、その側には苺のショートケーキや苺大福が並べてあるではありませんか!!
甘い物が大好きな私は目移りする中、「はて、冬にイチゴ?」とふと疑問に思いました。もちろん国際的な輸出入が盛んな現代ですので、年中暖かいイスラエルやエジプト産の苺がドイツでも真冬に販売されています。いわゆる苺は春から夏(5ー7月)にかけて畑で収穫されるのが常識として育った私には、雪が降る季節に甘くて美味しい「シーズンのイチゴ」を口にするという事は、かなりショックな出来事でした。
即、この事を日本の友人に話すと、今度は彼女がビックリ!最終的に私をノックアウトした彼女の言葉は「えー、苺なんか6月に採れないよ!」…

河村尚子(ピアノ)