♪福音2009/09/20 12:30

ジョニーが来たなら伝えたい オンド・マルトノといえばオリヴィエ・メシアンによる数々の作品を筆頭にフランスという文化立国で大切に守られ育てられてきた20世紀生まれの楽器である。

しかし現代イギリスのアートシーンにおけるオピニオン・リーダーであり
かつ最も成功もしているロック・グループ<Radioheadレディオヘッド>のメンバーJonny Greenwoodがオンド・マルトノを彼等のロック・ミュージックに導入することで、この唯一無二の表現力を備えた楽器は、更により深い世界へその幅を拡げることになった。

『福音』はレディオヘッドの音楽への私なりの解答である。
ロックという概念はいつも私の中にあり 柱となった哲学であり、形式で音楽を捉えてはならないといつも自分を戒める指針なのである。
この清清しいジェントルマンは思わぬ拡がりをオンド・マルトノに、そして私にももたらした

多くの若者たちがジョニーを通してオンド・マルトノに興味を持ち始め
メシアンなども聴くようになってくれているのである。
楽器を弾いてみたいという希望も随分増えてきて、写真は池袋で続けている講座に通う娘さんたちがヴァレンタインにオンド・マルトノ形ケーキを焼いてきてくれたというわけ。
そしてジョニーは私のアトリエにやって来た。

原田節(オンド・マルトノ)

打楽器プレイヤー2009/09/20 14:46

学園祭という人ごみの中にどっぷり浸かったせいか、少々体がだるい。
今日と明日は9月の貴重なお休み。僕たちの仕事はカレンダーと全く関係ないので、世間が5連休の9連休のといってもさっぱりピンと来ない。
今日は、今年の2月3月に20年ぶりにヨーロッパに一緒に演奏旅行した早稲田大学のオーケストラの打楽器プレイヤーたちとの、僕のスケジュールのせいで延び延びになっていた打ち上げ会。
打楽器といっても、石井真木さんの「モノプリズム」という曲で大活躍する和太鼓のメンバーで、総勢6名。この曲は、6台の締め太鼓による繊細なピアニッシモでの32分音の連打に始まり、最後は直径3メートルはあろうかという大太鼓を2人で叩き、それに中太鼓、締め太鼓、もちろんオーケストラも絡み壮大なクライマックスを形作る。
一人一人がソリストであり、また緊密なアンサンブルも要求される、体力的にはもちろん、何といっても精神的に過酷な作品で、しかも1カ月の間移動しながら十数回の演奏会をするのだから尚更大変だ。演奏家というより修行僧のような趣さえある彼らと一か月を共に過ごし本番を重ねるうちに、プロとアマチュアの垣根を越えた連帯感が生まれていた。
大いに語り合った一晩だった。この集まりはこれからも続く予感が。。。。


山下一史(指揮)