宣伝!2009/09/12 15:23

ここで少しだけ新譜CDとコンサートの宣伝をさせて頂きます。
8/31に、新譜CDをリリースしました!
■「楽興の時 ~ スクリャービン & ラフマニノフ」

問:若林工房 Tel 0765-22-2399  http://www.waka-kb.com/

このCDに収録されている曲を、10/2東京でのリサイタルで、生で聴くことができます。
■イリーナ・メジューエワ ピアノ・リサイタル《夜の風》
2009年10月2日(金)19:00開演 HAKUJU HALL
 スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ト短調 op.19 「幻想ソナタ」
 ラフマニノフ:楽興の時 op.16
 スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第10番 op.70
 メトネル:ピアノ・ソナタ ホ短調 op.25-2 「夜の風」
問:コンサートイマジン Tel 03-3235-3777  http://www.concert.co.jp/

リサイタルに関して、一言お願いします。

(イリーナ):4年ぶりの東京での本格的なソロ・リサイタルです。オール・ロシア・プログラムで、スクリャービン、ラフマニノフ、メトネルの作品を取り上げます。三人とも ピアノという楽器の表現の可能性を熟知していて、ピアニスティックな魅力に溢 れる作品を残しています。それぞれが独自のスタイルを発展させたのも興味深い ところです。今回の演奏会で弾く作品は、1890年代後半から1913年頃に書かれたものです。『銀の時代』と呼ばれるロシア芸術の隆盛期の成果の一端をお楽しみ頂ければと思います。

今回は難曲中の難曲、メトネルのソナタ『夜の風』を8年ぶりに演奏するのも話題のひとつ。『20世紀最高のピアノ・ソナタ』とも称される傑作、お聞き逃しなく!

それでは最後にせんくら2009に向けてお客様へのメッセージをお願いします。

(イリーナ):今年もまた『せんくら』に出演できることをたいへん光栄に思います。今回は3つのショパン・プログラムを準備しました。『ピアノの詩人』と呼ばれるとおり、ショパンの音楽は詩的で美しいことはもちろん、精神的にも深いものがあります。 ショパンの多面的な魅力をお伝えできることを願っています。『ショパンの音楽は やっぱり素晴らしい』と思って頂けるよう、頑張って演奏したいと思います。大好きな仙台の町で皆さんにまたお会いできることを楽しみにしています。

せんくらブログ、1週間お付き合いくださいまして有難うございました。


イリーナ・メジューエワ/マネージャー

http://www.concert.co.jp/artist/mejoueva/profile.html

ショパン―続き―2009/09/12 16:03

「ショパン弾き」といわれることに、僕はまったく抵抗がない。
ショパン・コンクールはいわば、ショパンのお墨付きなのだから、ショパンを弾いてほしいといわれることは、僕にとっては、いつでも、とても嬉しいことなのだ。

来年は、ショパンの生誕200年にあたる記念の年だが、僕が19歳でショパン国際コンクールに入賞してから、ちょうど20年目にあたる年でもある。そして、コンクールの翌年の91年春にデビュー・リサイタルをしたので、2011年が、デビュー20周年になる。勿論、20周年記念リサイタルにも面白い企画を考えてはいるが、まずは、ショパンだ。
ショパンの全曲演奏会に取り組むのは、実は2回目である。最初は、20代後半に、7年かけて、ショパンの誕生日と命日の、1年に2回のペースでピアノ曲の全部を演奏した。どの演奏家もというわけではなく、ショパンはすべての作品を演奏してみたかった。全ての作品を演奏することで、見えてくるものがあるのだ。ショパンは、子供の頃からずっと好きだったし、僕の人生の節目に深くかかわりのある作曲家であり、とても身近に感じている。だからいつでもピアノにむかった瞬間に、自然と音楽が流れ出すのだ。

200年の記念の年を目の前に、僕はもう一度、集中してショパンの作品に取り組んでみたいと思った。そして、この壮大な計画を終えるとき、僕はショパンの晩年と同じ年代にいることになる。今度は、どんな発見があるだろうか。


横山幸雄(ピアノ)

レストラン名の由来2009/09/12 17:36

「どうしてフランスへ留学したのですか」とか、「フランスに留学したのに、どうして経営するレストランはイタリア料理なのですか」とよくきかれるが、僕は、そういうこだわりがまったくなくて、そのときの出会いや直感やひらめきのようなものを信じている。
フランスに留学して、どこがフランス的なのかと言われると・・・、そうだなぁ、ワイン好きなことと、あまり他の人に左右されない性格かな。

渋谷にあるレストランは「G」というのだが、どうして「G」という名前なのですか?と先日のインタビューできかれた。ずっと前から考えていたわけでもなく、イタリア語の辞書をめくっていたら、GIOIA(喜び)や、GRAZIE(ありがとう)などの、Gからはじまる単語に心ひかれたのだ。何かのひとつの単語にしようかとも思ったが、どれもよくて、じゃぁ、頭文字の「G」にしよう!ということになった。

京都の店は「キメラ」というが、これは、ギリシャ神話にでてくる伝説の生物で、店のシェフやスタッフみんなからの意見だった。僕自身もいいなと感じたし、何より自宅が東京で、京都は時々立ち寄ることしかできないこともあり、京都の店の名前は、みんなの意向を尊重したいと思った。どうしてイタリア料理になったかというと、いいシェフがイタリア料理の料理人だった。と、こういう感じなのだ。

僕は、音楽と一緒にできる何か面白そうなことが大好きである。
最近は何もかもがあわただしくなり、「音楽が生まれるゆったりとした時間」がなくなってきているように思う。だからこそ、音楽が必要で大事だと感じる。僕は、この渋谷と京都のレストランで定期的にサロン・コンサートをやっているが、こうした場所に人が集い、美味しいものを食べて、心も身体もゆったりとして、音楽に耳を傾けてもらう時間を、とても愛しく思っている。


横山幸雄(ピアノ)